☆☆☆ マンガ「かげきしょうじょ！」

宝塚歌劇音楽学校をモデルにした少女たちの物語。１つの目標に向かい努力し続ける姿の美しさに魅了される。努力する少女の美しさを描く青春マンガです。 

☆☆☆ すごく面白い
1. 全員が一つの目標に向かっているいる世界 
2. ひとりひとりにフォーカスした群像劇
3. 成長ものに欠かせない世代を超えた繋がり

こういう人にオススメ） 
・宝塚歌劇ファン 
・アイドルファン 
・爽やかな気持ちになりたい方 

1. 全員が一つの目標に向かっているいる世界

近年アイドルもののアニメが相次いでヒットしていますが、その理由のひとつがキャラクター全員が同じ夢を持って努力して行くと言う世界観の美しさではないでしょうか。こうした作品に共通しているのは、協力とも競争と違う独特な協調感でしょう。 例えばガラスの仮面など昔の作品では、競うというところがメインになっていて時にはライバルキャラが主人公の足を引っ張るといったシーンがありました。また、スポーツマンガなどではお互いに協力し合う ところが前面に描かれていることが多かったように思います。 ところが、本作のような作品ではそれぞれが独立して自分自身のために努力し続ける姿が描かれます。お互いが努力する姿に影響され自分も負けずに努力しようと していく姿は独特の美しい連帯感を生み出します。 

2. ひとりひとりにフォーカスした群像劇 

上で書いたようにそれぞれのキャラクターはそれぞれに努力していきますので、物語はより個々人にフォーカスした描かれ方になります。それぞれが自分自身の課題を持っていますし、努力は一人一人するものですから、近くに仲間たちが努力しているのを感じながら、自身も努力し続けるという姿が描かれます。 その結果個人の内面に深く入り込み内面の心の動きを 丁寧に描くスタイルになっています。こうした青春物語の中でも特に丁寧にキャラクターの心情が描かれている作品だと思います。 

3. 成長ものに欠かせない世代を超えた繋がり

じつは僕は世代を越えた関係性を描いた作品がすごく好きで、親世代から学びながら役割を引き継いでいく主人公や、、後輩に託して卒業していく先輩と主人公、後輩を育てる先輩としての主人公などなどが描かれると猛烈に感情移入しちゃいます。宇宙のステルヴィアの先生と生徒、アイカツ!の親、先生、先輩と主人公などなど、こういう関係性をしっかりと描いた作品には名作がたくさんあるようにも思われます。

本作でも長い歴史ある劇団付属音楽学校で、大先輩にあたる先生方や元スターさん方、現在のスターである先輩、１年先輩で指導にあたってくれる生徒たちと１年目の生徒である主人公たちの関係性が本当に素晴らしいです。同期や年の近い生徒は競い会う相手でもあるわけですが、先輩方や先生たちは長い歴史の中で応援し続けてくれる観客に素晴らしい舞台をみせ続ける為に手本となり教え手となり伝えていく。ところどころ描かれるそういう場面が大変たぎります。
オススメです！