☆☆ 映画「ゼロ・グラビティ」

2018.02.24

ロシアの衛星が起こした事故により、船外活動中にデブリ群の急襲を受けて宇宙空間を漂流した主人公が地上に戻るまでの物語。頼りのない真空の暗闇を宇宙服1つで放り出された不安、焦りと絶望、それでも生き残ろうと必死にあがく姿を途方もない臨場感で描く。クライマックスにヒロインが叫ぶセリフが非常に印象的。

☆☆ オススメ

1. 危機に立ち向かう人の姿の美しさ
2. その手があったかと思わせるギミック
3. 圧倒的臨場感

こういう人にオススメ)
・戦う女性に惹かれる方
・科学や宇宙に興味がある方
・スペクタクル映画が好きな方

1. 危機に立ち向かう人の姿の美しさ

ヒロインがミッションスペシャリストとして通信設備の立ち上げを行っているところから映画ははじまります。序盤数分でロシアが自国の人工衛星の破壊に失敗してデブリが大量発生したことを知らされ、間もなく固定されているアームごと何もない宇宙空間を漂流する羽目になります。恐怖とパニック、繰り返し訪れる絶望的状況にそれでも諦めずに立ち向かうヒロインの姿が美しく、ドンドン引き込まれます。

緩急も非常に巧みで、ISSにたどり着いて宇宙服を脱ぎ捨て安心したときに思わずしばし放心するシーンや、絶望的な事実を知って静かに目を閉じるシーンなど彼女の心の動きが伝わってくるようで非常に心惹かれます。最初40分ぐらいヒロインは宇宙服を着たままで顔がよく見えず、もう1人の主役を演じるジョージ・クルーニーに至っては宇宙服をずっと着たままでほとんど素顔が出てきません。それが宇宙服を脱いだときの緩和に繋がっていてガッと心をつかまれます。いつの間にか心から応援している自分に気付くでしょう。

クライマックスでヒロインは「結果がどうあれこれは最高の旅よ、準備はできてる」と言ってから再突入に挑みます。彼女がどういう想いを込めてそう言ったのか、最後のカットからタイトル「GRAVITY」が出てエンドロールが流れるまでのくだりは最高の一言です。

2. その手があったかと思わせるギミック

絶望的な状況に何度も希望を失いかけるヒロインですが、そこを脱出する為になるほどそういう手もあるのかと思わせられるシーンが何度もあります。リアリティを失わない為にはご都合展開で助かってしまっては興ざめなわけですが、設備的には可能な手段で危機を乗り越えていくのがとても良いと思います。途中で拾ったアイテムが重要な役割を果たすなど、脚本指南書で例として出てきそうなぐらいよく出来たストーリーです。

3. 圧倒的臨場感

本作の魅力の大きな部分を占めるのが圧倒的な臨場感です。何と頼れるものがない宇宙空間に放り出されるところからスタートして如何に過酷な環境にヒロインが身をおいているのか示され、ISS内では細かく作り込まれた機材に目を奪われます。衛星軌道から見た地球の大きさと輝き、それと対象的な宇宙の闇の深さは美しくも恐ろしいです。美しく描かれた舞台に引き込まれてしまって、宇宙服を脱いだシーンではヒロインの体香がかおってきそうに思えるほど。グイグイ引き込まれてしまう映像の力があります。音楽もじつに良くて、危機が迫ったり盛り上がるとそれを最高に盛り上げる音が入ってきます。演出が上手すぎて作業中に流してもついつい画面を観ちゃいますからじっくり視聴できるときにご覧ください。

ハリウッドの映画らしい無理やり展開も多少あるので気にはなりますが、それを補って余りある臨場感と危機に立ち向かうヒロインの姿に心打たれる名作。オススメです。

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