☆☆☆ 米ドラマ「Good Fight」

2018.02.07

逆境に挑み続ける女性弁護士の姿を描く熱い法廷劇。したたかにしなやかに闘う彼女らの姿は最高にかっこよく、気高い闘いぶりに夢中になります。

☆☆☆ すごく面白い

こういう人にオススメ)
・法廷劇が好きな方
・米ドラマファン
・闘う女性が好きな方

1. バチバチやりあう法廷劇の痛快さ

これはもう法廷劇である以上、絶対に必要な要素ですが本作はそこも最高です。一度負け判決が下っても別のロジックを考えて食い下がり、相手が隠している事実を探しだしたり、新しい視点を持ち込むことで遂には逆転判決をもぎとっていきます。

本作は調査員の活躍も面白くて、それとなく聞き出したり、検事の奥さんと仲良くなって検察を揺さぶったり、ニセ情報を使って相手を操ったりと他の弁護士ものと比べても激しい闘いぶりは本当に見ごたえがあります。

2. 闘う女性のかっこよさ

本作の最大の魅力は旗色が悪い闘いに果敢に挑む女性の姿の美しさです。多額の資産を築いてリタイヤするはずだったベテラン女性弁護士、やり手の中堅女性弁護士、働きはじめたばかりの新米女性弁護士の3人のほか、コミュ力の化物で何でも調べてきてしまう調査員、異常に鋭いヒッピー風女性弁護士など、実写でこんなにくっきりとキャラを立てる事ができるものなのかと驚きます。

法廷だけではなく、職場での人間関係やプライベートでの闘いも描かれて、そのどれにも怯まない彼女らの闘いぶりは最高にかっこよく、悪質な嫌がらせを受けたときには同じやり口でやり返すなど、したたかな闘いぶりはじつに痛快です。

こういう作品ではやられ役の男たちはどこか三枚目になってしまうもので本作もそこは変わらないんですが、流石キャラ作りが上手くて負け役の男性陣もどこか愛嬌があってかわいらしく描かれています。もっとはっきりとかっこ悪く描くこともできるのに、絶妙なバランスを保っているおかげで、女性陣の凛々しさやかっこよさがより一層引き立って見えるように思います。

3. 素晴らしい感情芝居

細かい感情をセリフで表現するとキャラクターが多い本作のような作品ではセリフが多くなりすぎてテンポが悪くなってしまいます。一方でセリフを削ってテンポをよくすると個々の感情についての表現は乏しくなりがちです。ところが本作は無駄なセリフはなくしてテンポを維持しつつ、短い表情芝居で巧みに感情を表現しており、この両取りを実現しています。

メインヒロインのひとりである新人弁護士が最初の法廷で相手に有効打を与えた印象的なシーンがありますが、質疑を終えて興奮が収まらないままの表情から徐々に上手くいった事を理解していく、という表情の変化を数秒で描いていて、これにより無我夢中ではじめての質疑に臨んだ彼女の熱狂がビシビシ伝わってくるわけです。

法廷戦略を議論するとき、法廷で意外な事実をもたらされたとき、驚いて非難の色を瞳に浮かべたり、同じく驚きながらも好意的に受け入れたりと、それぞれがどう思っているかを表情の変化をしっかりと使って巧みに描いていて、従来の法廷劇にない熱さが表現されています。

人気シリーズ「Good Wife」のスピンアウト作ですが、僕は正直こちらの方がずっと面白いと思ってます。まだシーズン1が終わったばかりですが、今後の展開も楽しみです。

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